犬を飼う前に、犬の特性を知り、飼い方を考えましょう。
◆犬はリーダーのいる群れで行動します。
犬は社会性の高い動物で、群れを作って行動する習性があるそうです。
群れの中で判断力のある力の強いものがリーダーになり、人間に飼われた場合は、飼い主がリーダーを務める必要があります。
犬がリーダーとなってしまうと、飼い主の言うことをきかなくなるなどの問題行動を引き起こすことになります。
◆犬には散歩が必要です。
狩猟の習性の残っている犬は、自分のテリトリーを大事にします。
また、自分の寝場所にフンやオシッコをするのを嫌がり、他の場所でしようとします。
寝場所以外の決まった場所で排泄させる飼い方が可能なのは、この習性のためでもあります。
散歩に行けないということは、犬にとって大変苦痛なことになります。
◆犬は汗をかきません。
犬は、肉球や鼻の頭などの特定の場所を除いて汗をかきません。
汗をかかないということは、体温調節がしにくく、また、塩分が体内に蓄積されやすいということでもあります。
夏には暑さ対策をして体温の調節を手助けしてあげましょう。
また、人間と同じ食事を与えると塩分を取りすぎてしまうことになりますので注意しましょう。
◆犬は好奇心旺盛です。
色々なものの匂いをかいだり、かじったりするのは犬の習性の一つです。
叱るばかりでなく、噛んでもいいものを与えてストレスをためないようにしてあげましょう。
散歩の時にも、できるだけ匂いを嗅がせてあげてください。
犬を飼うための準備を始める前に、もう一度、自分は飼い方が出来るのかどうかを考えてください。
家族がいる人は、家族の気持ちも確かめましょう。
第一に、犬のためのスペースの確保はできますか?
どんなに懐いている犬でも、ゆっくりと安らぐことの出来る、自分だけのお城は必要です。
かといって、ぽつんと離れたところにしてもいけません。
飼い主の目の届く場所に作ってあげてください。
また、滑りやすい床や危険なもののそばでは、安心して安らぐことができません。
遊び場となるサークルを置く場所や、トイレのスペースもきちんと考えてあげましょう。
次に、費用についてしっかり把握できていますか?
犬を購入するための費用は言うまでもありません。
そのほかに、飼育に必要な用具にかかる費用、食事にかかる費用があります。
ワクチン接種のための費用や、病気にかかったときの病院代も必要です。
トリミングが必要な犬種では、その費用も考えてください。
家族のある方は、他の家族の動物アレルギーについても調べておいてください。
もし、アレルギーの家族がいるようなら、医師に相談し、治療を終えてから飼うようにしましょう。
最後に、犬の寿命までしっかりと責任を持って世話をする意志と覚悟はできていますか?
犬の寿命は、十数年といわれています。
自分の年齢、家族の年齢の十数年後の姿を想像し、よく考えてみてください。
犬は飼い主を選ぶことは出来ません。
自分だけの考えではなく、犬を飼うことについて、飼い方について、家族とも十分話し合ってください。
犬は、旧石器時代には人間に飼われていました。
それでは、古代人はどういう飼い方をしていたのか。
古代人が犬を飼うことの利用価値を見出したのは、番犬としてだったといわれています。
自分たちが狩りをして得た獲物の残骸の後始末をしたり、犬たちの周囲を警戒する様子から、番犬として利用できると考え始めた古代人が、餌付けを始めました。
餌付けされた犬は、やがて、狩猟の時の役割も分担するようになりました。
獲物を見つけ出したり、追い詰めたりという役割は犬が担い、獲物を仕留めるという役割は人間が分担するという方法です。
こうして、人間との役割分担を始めたことが、人間と犬との生きていく上での絆を深めていったと言われています。
また、これは、人間が優位な立場を利用した飼い方をしていたというわけではなく、犬の「ゆずり合う」という習性により信頼関係を築いた結果であるとも言われています。
これよりも以前の3万年ほど前の、私たちの祖先であるクロマニョン人の集落遺跡からは、クロマニョン人の骨と一緒に犬の骨が出土しています。
このことから、クロマニョン人もすでに犬を飼っていたと推測されています。
それよりも遡ったネアンデルタール人は、犬を食用としていたといわれています。
そしてこのことが、両者の種の存続に大きく関わっているという説があります。
クロマニョン人は、犬を飼い、犬とともに狩りをしていたことで生き残ったという説です。
犬の飼い方を考える前に、犬の歴史について知っておくことも、ペットライフの役に立ちます。
犬は、学術的には、「ネコ目イヌ科イヌ属」に分類される種類の動物であり、飼い犬は「イヌ属タイリクオオカミ亜種イエイヌ」と名付けられています。
私たちが犬(イヌ)という場合、ふつうは飼い犬のことを言います。
犬の種類は、非公認のものも含めると、世界中で700~800種類にものぼります。
大変な数の犬種がいるわけですが、そのルーツはみな同じです。
ただし、犬の祖先については諸説があり、最もよく言われているのは、オオカミだという説です。
2002年には、DNAレベルの研究結果から、1万5000年以上前に、東アジアでオオカミが家畜化されたものだと発表されました。
世界にいる654種類の犬と、ユーラシア大陸にいる38種類のオオカミのDNAを分析した結果、初期の犬には、4系統のオオカミの血が混じっていたということがわかりました。
さらに、犬の遺伝子型が各地で分岐した過程をたどると、約1万5000年前に、これらの系統のオオカミが東アジアにおいて家畜化され、その後ヨーロッパなどに広がった可能性が大きいことがわかったのです。
オオカミは社会性が高く、群れで生活します。
群れの中には力関係があり、これにより食べ物を食べる順番などが決められていきますが、それは反面、立場の順位の低いものが、強いものに「ゆずる」という行動にもつながっています。
こうしたオオカミの習性を生かして、何代にもわたって人間の飼い方に慣らしていったものが犬になったといわれています。
ペットというと、犬やネコが思い浮かびますが、
ハムスターやウサギなどの小動物や、小鳥、熱帯魚や淡水魚、
昆虫といったペットもよく見かけます。
蛇やトカゲなどの爬虫類をペットとして飼っている方も今では珍しくありません。
一番人気のあるペットは犬といわれています。
ペットを飼う理由について尋ねた調査では、約60%の人が「気持ちが和らぐから」と答えています。
ペットを飼うということに癒しの効果を期待していることがうかがえます。
犬は、その習性から、はっきりとした主従関係を好みますので、
飼い方によっては上手にしつけることができ、家族の一員として扱うことで癒しの効果が得られやすいとされています。
犬に人気が集まる理由の一つは、そこにあるといえると思います。
犬はペットとして飼うことのできる種類も豊富にありますし、比較的手に入れる事の簡単な動物でもあります。
安易に飼い始めることはせずに、飼い方についてある程度の知識を学び、
癒し癒される関係を保ち続けるためには、どうすべきかを考えてみましょう。
毎日きちんと散歩に連れて行くことができるのかなど、自分の生活スタイルを見直し、
それに合った犬種を選ぶことから始めましょう。
