犬は、旧石器時代には人間に飼われていました。
それでは、古代人はどういう飼い方をしていたのか。
古代人が犬を飼うことの利用価値を見出したのは、番犬としてだったといわれています。
自分たちが狩りをして得た獲物の残骸の後始末をしたり、犬たちの周囲を警戒する様子から、番犬として利用できると考え始めた古代人が、餌付けを始めました。
餌付けされた犬は、やがて、狩猟の時の役割も分担するようになりました。
獲物を見つけ出したり、追い詰めたりという役割は犬が担い、獲物を仕留めるという役割は人間が分担するという方法です。
こうして、人間との役割分担を始めたことが、人間と犬との生きていく上での絆を深めていったと言われています。
また、これは、人間が優位な立場を利用した飼い方をしていたというわけではなく、犬の「ゆずり合う」という習性により信頼関係を築いた結果であるとも言われています。
これよりも以前の3万年ほど前の、私たちの祖先であるクロマニョン人の集落遺跡からは、クロマニョン人の骨と一緒に犬の骨が出土しています。
このことから、クロマニョン人もすでに犬を飼っていたと推測されています。
それよりも遡ったネアンデルタール人は、犬を食用としていたといわれています。
そしてこのことが、両者の種の存続に大きく関わっているという説があります。
クロマニョン人は、犬を飼い、犬とともに狩りをしていたことで生き残ったという説です。
12 月 2009
犬の飼い方を考える前に、犬の歴史について知っておくことも、ペットライフの役に立ちます。
犬は、学術的には、「ネコ目イヌ科イヌ属」に分類される種類の動物であり、飼い犬は「イヌ属タイリクオオカミ亜種イエイヌ」と名付けられています。
私たちが犬(イヌ)という場合、ふつうは飼い犬のことを言います。
犬の種類は、非公認のものも含めると、世界中で700~800種類にものぼります。
大変な数の犬種がいるわけですが、そのルーツはみな同じです。
ただし、犬の祖先については諸説があり、最もよく言われているのは、オオカミだという説です。
2002年には、DNAレベルの研究結果から、1万5000年以上前に、東アジアでオオカミが家畜化されたものだと発表されました。
世界にいる654種類の犬と、ユーラシア大陸にいる38種類のオオカミのDNAを分析した結果、初期の犬には、4系統のオオカミの血が混じっていたということがわかりました。
さらに、犬の遺伝子型が各地で分岐した過程をたどると、約1万5000年前に、これらの系統のオオカミが東アジアにおいて家畜化され、その後ヨーロッパなどに広がった可能性が大きいことがわかったのです。
オオカミは社会性が高く、群れで生活します。
群れの中には力関係があり、これにより食べ物を食べる順番などが決められていきますが、それは反面、立場の順位の低いものが、強いものに「ゆずる」という行動にもつながっています。
こうしたオオカミの習性を生かして、何代にもわたって人間の飼い方に慣らしていったものが犬になったといわれています。