ギリシャで普段食べていたもの。
朝はいつもどおり、何も食べないか、フルーツだけ。お昼はお皿にいっぱいのサラダとパン。夕食はまずはサラダを食べ、そのあとに加熱の野菜料理とライスまたはパンを食べていました。普段はスイーツは食べないのだけど、ギリシャのレストランではサービスでケーキをつけてくれるところが多くて、ほぼ毎日スイーツも少し。
ギリシャの料理って、とてもおいしい。でも、たっぷりの油で調理されたものばかりだから、10日で2キロも太った!食べた量はふだんとあまり変わらないのだけど。でも、ローフードと断食でやせすぎてたから、ちょうどいいのかな。良質の油をとれば、お肌にも張りがでるし、ちょっとふっくら気味の方が若くてハッピーに見える、と気がついた。
ところで、ここ2年ほどビーガン(動物性食品をまったくとらない)でとおしてきたのだけど、ビーガンを返上するきっかけがあった。
あるレストランで食事をした時、隣の席の20代の男女に目が離せなくなった。女は黒髪のショートボブ、意志の強そうな光を放つ漆黒の大きな瞳、スラリと伸びた筋肉質の手足、片手に携帯を持ち、誰かと大きな声で話しながら、くわえタバコをし、お酒を飲み、目の前にいる男と目で会話をしながら、前菜を食べている。男はブラッドピット似の、キュートなハンサムで、寛大なまなざしで女を見ている。
「デート中に、くわえタバコしながら、携帯電話で話しながら、食事しながら、男と会話するなんて、なんちゅー女や!私が彼やったら、気分悪いわ」
というのが第一印象だった。彼は、不満な様子はないけれど、テーブルの下で足を貧乏ゆすりしている。
本当はそれで終わるはずだったのだけど。
どうしても、彼女から目がはなせなくなった私。隣の男女は次から次へと料理を頼み、私と夫の3倍以上食べている。食べっぷりもすごくて、ふたりで「よーいどん!」して競争しているかのように、フォークで肉やソーセージを突き刺し、次々に口に運んでいく。その間、女は機関銃のように話し続けている。男は目でうなずき、時々合いの手を入れる。二人は時々、お酒の入ったグラスを勢いよくぶつけあい、乾杯する。男女の機微というよりも、それはマフィアの同士がするような荒っぽい、男くさい雰囲気。
上品じゃないし、ロマンチックじゃないし、肉ばっかり食べてるし、健康に悪そうだし、。。。でも、何かひっかかる。気になる。見過ごせない何かがある!
はじめは、「なんてマナーの悪い女なんやろう。あんまり美人でもないなー」という印象だったのが、30分後にはその女の魅力にとりつかれていた。夫に「そんなにじろじろ観察するのは悪趣味だよ」と注意されるくらい、私はその女を解読するのに夢中になっていた。
食事の後、なんだか極上のエンターテイメントを見せてもらった気がして、その女に心の中でありがとうと言って店を出た。
次の日もずっとその女のことが忘れられず、何に惹かれたのだろう?と心のもやもやと付き合っていた。
そして、どうしても肉が食べたくなった。約1年半ぶりのことだった。ビーチサイドのレストランで牛肉のミートボール(ハンバーグ)を注文した。

これが、ものすごくおいしかった!一口噛むことに、じゅわーっと肉汁とハーブ(オレガノ)の香りが口内を満たしていく。添えられたポテトサラダとの相性も抜群。半分夢見心地で咀嚼しながら、ゆっくりと、からまった糸がほどけていくように、謎がとけていったのだ。
あの女の何が見過ごせなかったのか?何に魅せられたのか?
目の前の皿の上から、肉が全て消えたときに、わかった。
動物的な、ほとばしるエネルギー、自分でコントロールできないほどの危なっかしい情熱。無茶ができる体力。それは若さ、エロス、生命力そのものであった!
そして、かつて私も彼女そのものだったのだ。それが、年を重ねるにつれ、さらにはビーガンになったあたりから劇的に変わった。ビーガン生活で、心の安定と健康、バランス感覚を得た。でもそれと同時に目減りしたものもある。どちらがいい、悪い、というものでない。好みの問題だし、そして年を重ねるごとに人は変わっていくものだから。
はじめは「受け入れがたい」と思った彼女を今ではとても愛しく感じる。一言も言葉を交わさなかったけれど。
私は、これからも「ほぼビーガン」な道を歩くと思う。体が「そちらのほうが楽でいい」と言うから。今まで十分酷使してきた体だから。
心と体に翼をもち、世界の全てがきらきらと輝きだす、そんな「ナチュラル・ハイ」な生活をめざしています。
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