PangoMangoな話。
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まったくの手前味噌ですが、Pango Mangoって店名、ちょっと響きがかわいくないですか? これスワヒリ語です。意味は『中身の詰まった洞穴』ってことになっています。でもPango=cave (洞窟)、Mango=solid (中身が詰まった、中が空洞でない、ギュっと詰まった) などという直訳をつなげてみているだけの、マユツバもの。まぁ、いわば造語ですね。でも、響きが気に入って店名に採用したので、とりあえず意味は二の次でもいいかな、なんて勝手に思っています。
で、本題。実はこのスワヒリ語、アフリカの言葉なんですが、ケニア、ウガンダ、タンザニア辺りで公用語になっているのをはじめとして、アフリカの東沿岸部で広く4000万人以上の話者を持つといわれるメジャーな言語です。つまり、アフリカの東側の国々でなら、結構分かってくれる人も多く、コミュニケーション・ツールとして役に立つ、ということです。「スワヒリ」という言葉自体がそもそも「海辺に住む人々」というような意味のアラビア語に由来しているそうですよ。えっ、アラビア語って、アフリカの言葉なのになんで?と思われた方、ちょっとアフリカ大陸を思い浮かべてくださいね。サハラ以北、以西、つまりアフリカ大陸の半分より上の方は、北アフリカと呼ばれるチュニジア、アルジェリア、モロッコ、エジプトなどの国々といわゆるアラブ諸国で成り立っています。もともと、この言葉はアフリカ中南部に広く分布するバントゥー語系の部族がアラブの商人たちとの何百年にもわたる交易を続ける中で、必要に迫られて、お互いがコミュニケーションを図るために体系化していったもの、と言われているのです。てことは、要するにお買い物を円滑に進めるためにみんなが分かる言葉が必要だった、ということなんですね。そのため、語彙の3割以上はアラビア語に由来するもの、それ以外にもペルシア語、ドイツ語、ポルトガル語、インドの言語、英語などからの借用語も多いようです。寄せ集めなのかもしれませんね。みんなが良く使ってた言葉とか、中でも覚え易い言葉とか、ね。共通の言葉があって交易が始まるのではなくて、交易が言葉を生み出すなんて、面白いですねぇ。
でもね、ここPangoMangoを経営するワンダーキッチン・プロジェクトの買い付け隊も、みな買い付けの際には現地の言葉を少しでも多く話せるように努力しているのです。なぜなら、コミュニケーションこそが、第一義的な目的の達成を可能とするから、です。私たちは、単にお金儲けのためにお店をやっている訳ではありません。また、スタッフはみな旅好きで、旅先で買ったものを売ったりもしているのですが、規模の大きな買付けは旅とは違う次元のもので、こちらの思惑には関わりなく、現地のひとにはお金と結びつけて見られてしまいがちです。そのため、トラブルや誤解の根も多分にはらんでいるのです。そんな中、私たちがもっとも大切にしているのは、現地の人々と笑顔を共有すること、ともに栄えること、幸せな時間を共有すること、また会うことを楽しみに思える関係を築くことなのです。つまり、簡単に言ってしまえば、人と人、国籍や年齢や立場や利害を超えた個人と個人の一期一会を楽しむこと。それこそが、この世に生を受け、自由に行きたい場所に移動でき、さまざまな体験ができる私たちのひとつの特権であり、それを活かしたGive&Takeを敢行することが、ひいては人々の笑顔や幸せを大きな輪として世界各地に広げていくきっかけづくりになるのではないか、と信じているのです。
幸い私たち地球人には、5億1000万人ともいわれる圧倒的な話者数をもつ英語というコミュニケーション・ツールがあります。たとえ、ブロークンでも、文法はバラバラでも、しっかり言いたいことが伝えられる英語力があれば、世界中の多くの人と交易ができるでしょう。でも、バンコクのタクシーで行きたいところが伝わらない、チェンマイの市場でおばちゃんにほしいものが伝えられない、カトマンズのリキシャマンにお礼の言葉が言えない〜そういうもどかしい場面にはどこの国でも数多く出くわすはずです。英語が万能な訳では決してないのですから…。英語が母国語であるはずのアメリカですら、メキシコ移民、グアテマラ移民、などのヒスパニックの人々が多いマーケットではスペイン語で会話するだけで、一気に半額になったりもするのですよ。そして、たとえばバンコクで、値段を巡ってさっきまで攻防を繰り広げていたお店のコたちに、最後に帰り際、『カイ・ディー・ディー・ナァ(よく売れますように)』って言ってみてください。『カイ・ディー・ディー・カァ(商売繁盛、ねー)』って満面の笑顔で返してくれるはずです。そして、次に行った時、きっと飛びつかんばかりに出迎えてくれることでしょう。そういう時間、その笑顔、その空気の温もりを、私たちは欲しているのです。だから、それがたとえ同国人同士、日本語話者同士だって同じこと。「ありがと、ね」「ありがとうございます。また、お待ちしてまーす!」て、そういう短い会話にも、少しの時間を共有した親愛の情のようなものが含まれる。そういう場作り、品揃え、店の空気を目指しています。
そんな温かく濃密なコミュニケーションを経て、集められて来たここPangoMangoのコたち、きっと皆さんにも幸せのお裾分けできると思っています。ぜひ、出会いを見つけにいらしてみてくださいね。
スタッフ一同、お待ち申し上げております。





