核全廃決議案に米 保有国で初
国連総会第1委員会(軍縮・安全保障)で日本は15日、米国などとともに核兵器全廃を目指す決議案を提出した。オバマ米大統領が主導して「核兵器のない世 界」決議を採択した先の国連安全保障理事会首脳会合での動きを歓迎し、核実験全面禁止条約(CTBT)の早期の署名・批准を求めている。同種の決議は94 年から毎年、日本が提出して総会で採択されてきたが、核保有国が共同提案国に入ったのは初めて。中国など他の核保有国への影響も大きいとみられる。
日本、米国を含む計41カ国が共同提出した。米国は00年に初めて賛成したが、ブッシュ前政権(01~08年)は「CTBT批准には賛成できない」として 一貫して反対してきた。今回、9年ぶりに賛成に回っただけでなく、主体的に共同提案国になったことは、核軍縮へのオバマ政権の明確な意思の表れと受け止め られている。
決議案は、前文で、先月24日の安保理首脳会合での動きのほか、米露による核兵器削減への機運の高まりを歓迎した。また、北朝鮮に、6カ国協議への即時復帰を要請した。
そのうえで、▽核拡散防止条約(NPT)加盟国による義務履行の重要性を確認する▽来年のNPT再検討会議の重要性を強調する▽核兵器保有国に透明性のあ る方法で核兵器を削減するよう求める▽安全保障における核兵器の役割を削減する必要を強調する▽CTBTの未署名・未批准国に早期の署名・批准を求める▽ 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の早期交渉開始を求める▽核テロ防止の重要性を強調する--などとなっている。
昨年の同種決議案には米国、インド、北朝鮮、イスラエルの計4カ国が委員会、総会ともに反対。中国、イラン、パキスタンなど6カ国が棄権した。決議案は今月末に同委員会で、来月に総会でそれぞれ採択される。
須田明夫・軍縮大使は「核保有国に核放棄を求めることが、決議案の主な目的だ。核保有国である米国が共同提案したことの意味は大きい。米国の考え方は、明確に変わってきた」と述べた。