CD=Hoboes' Favorites Collection vol.10       the MoonNotes

Listening Library "Hoboes' Favorites Collection"
〜Original Mini Album series

vol.10  the MoonNotes  "a Penetration"
・・・・・・・・・TR-hfc010   1,000円(税込

ニュー・ケルティックを標榜し、いわゆるケルト音楽といった時、強くイメージされるアイリッシュ・ダンス系のメインストリームを避け、傍流のレパートリーを得意として、斬新なアプローチで幅広い活動を続けて来た the MoonNotes。その彼らがなんと3枚目のミニアルバムで、ついにアイリッシュ・ダンス・チューンを取り上げた。

ボウランの宮武理恵を新メンバーに加え、パワーアップした the MoonNotes の新境地は、意外にもリール、ジグ、スライド、ホーンパイプなどオーソドックスなアイリッシュ・ダンス・チューンの世界。アドリブが展開されるジグやタイトすぎない緩いリール、快速のパイプ・マーチなど、ところどころに彼らなりのひねりが加わってはいるものの、珍しくほぼ直球の内容。何も余計なことを考えず、グルーヴと選曲の妙に身を委ねて楽しんでいただきたい。

1. Crossing the Minch [Scottish Hornpipe/Reel] > 3:27 試聴音源

スコットランドにおける パイプ・マーチ (バグパイプで演奏される2分の4拍子の曲)として良く知られるこの曲は、 一方でホーンパイプともスコティッシュ・リールともいわれることがあります。 いわゆるScotch Snapといわれる付点のあるはねるような音符に続く細かく刻まれるいくつかの音からなるフレーズがとても印象的な実にスコットランドらしい曲です。 ここではルネサンス・ピッコロによって、バグパイプで演奏されるよりもずっと速いスピードで演奏されています。

2. Wild Slides [Irish Slide medley] > 4:13
O'Keefe's Slide / Mary Willie's Slide / The Weavers
試聴音源

ブルージーなギターとハンマーダルシマーのリフからはじまるスライド(12分の8拍子=シングル・ジグとも呼ばれる)のセット。 マイナーのO'Keefe's SlideからDメジャーへと移り、楽しげな演奏が繰り広げられる。 2曲めの『Mary Willie's Slide』はthe Cat rambles to the Child's Saucepan(ネコは子供のソースパンへとブラブラ歩き)というお茶目な別名も持っていて、その名の通り、部屋の中をそぞろ歩く猫の姿が眼に浮かぶようなにぎやかな曲だ。

3. the Boys of Blue Hill[Irish Hornpipes medley] > 4:06
Cronin's Hornpipe / the Boys of Blue Hill
試聴音源

16世紀からヨーロッパで踊られていたという4分の4拍子の舞踊スタイル。 均等なビートで中庸の速度をもつものと比較的ゆっくりでバウンスする特徴的なリズムをもつものの2種類があり、時にそれらが同時に介在する場合もある。 ここでも、バウンス・リズムをもつ 『Cronin's Hornpipe』 とフラットなビートのホーンパイプの代表曲とも称される 『the Boys of Blue Hill』 が続けて演奏されている。

4. Lady Doc[Irish Reel medley with original Reel] > 4:14
Lady Montgomery / Doc's memory of the Picnic/ Rockfield Reel
試聴音源

伝統的な AABB という構成のアイリッシュ・リールに続き、オリジナルの変則的な4パート・リールが演奏され、やや異なった趣を醸し出した後、ABABというシンプルな構成ながらマイナーなコード感が特徴的なアイリッシュ・リールがさらっと奏されて終わる、短いながら印象に残るリールのセットだ。 最初のリールはAltan、最後のリールはLunasaというアイリッシュの代表的なバンドの演奏で知られている曲。

5. Daphne [Irish Jig based on 17th century song] > 3:16 試聴音源

17世紀よりさらに昔、おそらく中世の頃から、ヨーロッパ中に伝わり、各地でさまざまな編曲やヴァリエーションが生み出されて来た知る人ぞ知る名曲『ダフネ』。アポロ神の暴虐から逃れるため月桂樹に身を変えたという神話に基づくダフネの逃避行のお話。 そもそも歌詞のついたれっきとした歌であるこの曲のジグ版がいつ誰によってつくられたのかは定かではないが、アイリッシュのレパートリーとしても、今日なお愛されている。 ここでは、アイリッシュフルートとメロディオンの哀愁ある音色で情感たっぷりに歌われている。

6. Lark in the Morning[Irish Jig medley with Slip Jig] > 2:46
Calliope House / Barney Bralligan's/ Lark in the Morning
試聴音源

ダブル・ジグ(6/8拍子)に挟まれたスリップ・ジグ(9/8拍子)という構成を持つ。 ただし、1曲めの 『Calliope House』 は最後にもう1回 A パートのみ演奏されている。 あえてのどかさ、田舎っぽさやいなたさをもつ曲調を際立たせるべく、ジグとしては比較的ゆっくりめのテンポでスタートする。 下手をすると中途半端でダンスチューンらしさを欠き、フレーズ、ビートともにまとまりにくい難しさを孕んでいるが、各曲の魅力を際立たせることに挑戦している演奏といっていいだろう。

7. Fairy Dance Magic [Irish Reel medley] > 3:51
Largo's Fairy Dance / John Brennan's / Merry Blacksmith
試聴音源

素朴で土着的な匂いをもつ短い旋律は、19世紀初頭にスコットランドのナサニエル・ガウによって発表された 『Largo's Fairy Dance』 。 のちに20世紀初頭、スコットランド音楽、特にフィドル音楽の重鎮でストラスペイ・キングとも呼ばれたJ.S.スキナーによってヴァリエーションに編曲され、有名になった。 続けて『John Brennan from Sligo』 、 『Sleigh Ride』 というそれぞれ別名をもつふたつの代表的なアイリッシュ・リールが、珍しい2本のアイリッシュフルートによるユニゾンで、あえて全体に速くならない落ち着いた演奏にまとめられている。

MUSICIANS;

the MoonNotes
Masao NAKAMOTO=Guitar, Baritone Guitar, Shaker
Kuni KUROSAWA=Irish Flute, Renaissance Piccolo, Irish Fife, Hummer Dulcimer, Melodion
Rie Miyatake =Bodhrán

Recorded at Rootstock Studio, Kamakura
Engineered by Masao NAKAMOTO [Rootstock]    info@rootstock.net
Designed by Jay DEE [Estudio Euphonia]


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