CD=Hoboes' Favorites Collection vol.07 the Afrothumbs with Marembo2010
Listening Library "Hoboes' Favorites Collection"
〜Original Mini Album series
vol.7 the Afrothumbs with Marembo2010
"Masamo Ya Maisha"
・・・・・・・・・TR-hfc007 1000円(税込)
1. Somo La Kwanza -Nakupenda> 8:31 几帳面にビートを刻みつつ絡み合うむ2台のカリンバ。その間をたゆたうように、つぶやきのようなプリミティヴなアフリカン・ハープの印象的なリフ。執拗に繰り返される同じ音列の分散和音。アフリカ起源の弦楽器に独特の伸ばしたコイルを使用した弦は、特徴的なサステイン・サウンドとチープながら奥行きのある音色を生み出す。呪文のような男声のリードに諭されるように、女声コーラスが呼応する。続いて『二人は一人ではない』と全員でコーラス。ゆったりと大きなビートの中に細かな音たちがうごめき、愛についてのスワヒリ語の哲学的な言葉がちりばめられる。アフリカの渇いた大地の闇の広がりを感じつつ、焚き火の側で長老に聴かされる歌のよう。
2. Somo La Mbili -Kidogo kidogo> 8:54
美しいバロック風な西洋音階に調律されたカリンバが示す新しいカリンバ・ミュージックの地平。グルーヴィなカホンやシェイカー、印象的なやや古めかしいエレクトリックピアノの音色やコーラスと相俟って、フュージョンのようでも教会音楽のようでもあり、スケールの大きな楽曲に仕上がっている。「少しずつ、少しずつ」「すべてを望むものはすべてを失う」とまるで戒めの言葉を刷り込むかのように繰り返し繰り返し歌われるスワヒリ語が耳に残る。いにしえの面影をたたえる苔むした遺跡の内部を一歩一歩踏みしめながら歩くかのような緊張感と凛とした空気、対照的に火照る身体、迸る情熱。シンプルなリフのせめぎ合いの中に、劇的な展開を秘めつつ、やがて唐突に終焉を迎える。
3. Somo La Tatu -Paka na Panya> 4:34
「ネコが居なくなれば、ネズミがはびこる」と歌い始めるお祭り調のこの曲、にぎやかで楽しげな音色は、アフリカ起源の楽器だけでなく、缶のフタやビンなど、楽器以外の音も入り乱れている。ややさびれた金属音で魅力的な旋律を奏でているのは、アルミニウム製のカリンバ、通称アルカリ。ふぞろいなジングルがたくさんついたエジプトのタンバリン=レクやアフリカ各地に存在するひょうたんを共鳴胴にした木琴など、特徴的な音色の楽器がたくさん使用されて、このサウンドが出来上がっているのだ。ネコとネズミにまつわる、スワヒリ語のことわざや格言がいくつか集められて、寓話のような歌詞がつくられている。
4. Somo la Nne -Bandu Bandu> 10:13
カリンバや竹と木でつくられた親指ピアノ=サンザ、伸ばしたコイルを使用したタイの4弦の弦楽器=セン、ヴィブラフォンの音色にセッティングされたキーボード、などが醸し出す不思議なアンサンブルに思わず耳を奪われるサウンド。ノイズのようでもあり、グルーヴを生み出すパーカッシヴな存在のようでもあり、音の洪水でありながら、お互いが有機的につながって唯一無二の環境をつくりだしていく。その意味では、どこか熱帯の旺盛な生命力に満ちたジャングルの奥地に足を踏み入れたかのような感覚に似ているだろうか。少しずつ積み重ねていくこと、決して急ぐのではなくコツコツと成し遂げることの尊さを説くスワヒリ語の歌詞が、まるでかけ声のように繰り返される。
5. Somo La Tano -Zawadi> 7:53
サンザやカホン、シェイカーの渇いたサウンドにのせて、特殊なオープンチューニングに調弦されたギターがブルージーで艶のあるフレーズを奏でていく。オーソドックスなアフリカン・ブルースのスタイルを踏襲する美しい曲。英語とスワヒリ語の入り交じった歌では、母が息子に、スワヒリのことわざを伝えて行く形式がとられている。『スワヒリ人はかく語りき』との語りのあとに、歌われる歌詞がことわざの部分。人生を生き抜いていく上での教訓めいたものだが、いずこの国もこうした次世代に伝えられていく言葉というのは、同じようなニュアンスのもので、そして年月を経た重みや人間の真実を的確に伝えるものなのだな、と納得。レコーディングでは、実際に母が息子を前に歌っているものを採用した。
6. Somo La Sita -Kwaheri> 4:30
カリンバの素朴な音色にブロックコードのピアノが重なるサウンドが思いのほか、新鮮に響く。普通に考えたら、プリミティブなアフリカの楽器と平均律で調律されたピアノとは合わせにくく、また音楽としても溶け合いにくいもの。テンションコードを使用することと、電子ピアノで演奏していること、単音の多用など、組み合わせ方に工夫が凝らされていることで相乗効果を生み出すことに成功しているのだろう。『クワヘリ』とは、スワヒリ語で主に別れ際に使われる言葉。さようなら、もごきげんようも、おやすみ、もみんなクワヘリ。ここでは、養子として育てた子供たちが『ママ、おやすみ』と言って寝床に向かう様を歌っている。やや不安定な無垢で伸びやかなハーモニーが無邪気な子供たちのおやすみ、を想起させる。
MUSICIANS;
the Afrothumbs
Kuni KUROSAWA= Harp, Keyboard, Sen, Guitar, etc.
Masao NAKAMOTO=Kalimba, Cajon, Shaker, etc.
Kiyoshi SUZUKI= Kalimba, Sanza, Percussion, etc.
Marembo2010
Yae Koitabashi=Vocal
tomoko=Vocal
Reikoman=Vocal
Recorded at Rootstock Studio, Kamakura
Engineered by Masao NAKAMOTO [Rootstock] info@rootstock.net
Designed by Masao Nakamoto [Rootstock] info@rootstock.net

