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カラン:今日は福島の写真家、鈴木穣蔵 ( じょうじ )さんにお話をうかがいます。
あれ、どっちの写真が、ご本人でしょうか(笑)。
鈴木:福島県いわき市出身の鈴木穣蔵 ( じょうじ ) です。僕は、一番左の写真で
すね(笑)。
他2枚は、僕が撮影した写真です。
現在は会社員もやりながらですが、写真家として活動しています。日々、
撮ることに情熱を注いでいます。
カラン:穣蔵(じょうじ)さん、素敵な名前ですね。
鈴木:有り難うございます。「穣」はご先祖様から「蔵」は父の名前から取ったそ
うです。どこまでが本当かは、確かではありませんが。以前は「読めない」
と言われ、毎度説明するのが苦でしたが、今では直ぐに名前を覚えて頂
けるので、かえって助かります。
カラン:それでは、せっかくなので、穣蔵さんと呼ばせていただきます。
穣蔵さんがこれまで、影響を受けた出来事を教えていただけますか。
鈴木:撮り始めた頃は、“好きだ”という思いだけで撮っていたように思います。
そんな中、写真家の平間至さんのお話を聴く機会があり、それまでとは
また別の視点や、違った角度で物を捉えるようになったかもしれません。
カラン:そうですか、宮城出身の写真家の方ですよね。平間至さんの写真は、
雑誌で拝見させていただいておりますが、“感情のある写真”という印
象があります。
そこから、さらに写真の奥深さを知ったということなのですね。
それでは、今思う、写真の魅力は何だと思いますか。
鈴木:自分と世界との関わりを示してくれるという事でしょうか。
シャッターを切ることにより、その瞬簡に感じた気持ちを「像」として現す
事ができる。
そして、そこには有無を言わさず感動した瞬間はもとより、何気ない一瞬
の空気、自分の心の断片が間違いなく映し出される。
“撮る“ということは、ある意味怖くもあります。自分という存在がどこにい
るのかを意識させられる。でも、それが大切な事だと思います。
カラン:穣蔵さんは、WEBサイトで一部の作品を公開されていますよね。いろい
ろなシリーズがあるようですが、それぞれに面白い。
それから、“大声で叫びたくなる”という作品は、今の私たちの気持ちと
リンクしていて、見入ってしまいました。いつ頃の写真ですか。
鈴木:あれは震災前に撮っていたものです。なので、今回の震災へのメッセー
ジというわけではないんです。
これを撮った頃は、自分の中にもやもやするものがあって、まぁ、今もな
んですが。
そんな時、気張らしに海に行って、たまたま撮った波の軌跡が、丁度自
分の感情とシンクロしている気がして・・・。
それから一気に撮りまくりました。
カラン:穣蔵さんの思いと、波の軌跡がシンクロしたように、この写真と、今の私達
の思いがシンクロしているのかもしれませんね。湧き上がるものがあります。
鈴木:自分でも、見るとその時の感情が蘇ってくる・・・。でも残しておきたい作品
です。
カラン:穣蔵さんのこれからの活動について、教えて下さい。
鈴木:現在は劇場で行われる催しの記録撮影が中心なのですが、いつも自分
が今何を伝えたいのか、写真で何が出来るのかを考えています。特に、
震災後は写真の無力さを感じずにはいられませんでした。それでもきっ
と出来る事があると信じています。写真でなければ出来ない何かを見つ
けていきたい。
カラン: 2011.3.11に起きた大震災を、“福島”という場所で、人々や、町を見てこられ
たんですよね。何か思うことがあれば是非聞かせていただけますか。
鈴木:自然の力はとても大きく、それに対してヒトの力、こと技術力というのは
本当に儚いものですよね。家屋は跡形も無く倒壊し、あの原発ですら崩
れ落ちてしまうんですから。
カラン:そうですね、無力感を味わった人も大勢いたと思います。
鈴木:でも、そんな“ヒト”こそが大切なんだと思ったんです。何が、生きて行く上
で必要なのか考えた時に、それは、ここに溢れている“モノ”なんかでは
なく、“ヒト”そのものなんだと。
“ヒト”の繋がりや、気持ちが様々な状況を打開し、未来へと向かって行く。
これまでは、それに気付かず過ごしてきたんだと思います。今回の出来事で、
価値観が変わりました。今後を見据える上でとても大切なものを得たと思って
います。
カラン:これが、写真家として、2度目のターニングポイントになるのかもしれませ
んね。これから穣蔵さんが写真家としてどのような活動をされていくのか、
とても楽しみです。
そして、自分の心の断片を、誰かの心の断片を、街を、山を、海を、色々
な瞬間を、撮り続けて欲しいと思います。
今日はありがとうございました。
<行くなら ココ!>
自宅の近くに「小名浜」という地区があります。そのエリアに震災後できた
「UDOK」というオルタナティブスペースには、いわきで活動している様々なヒト
が集まります。
時にはライブ、時にはディスカッション。
そこでは、ひとりひとりの想いが集まり、少しずつ何かの形を創り始めています。
これからどういう展開をみせていくのかとても楽しみな場所の一つです。
http://d.hatena.ne.jp/udok/
そしてもう一つ、小名浜にあるカフェを。
そのカフェは海が見える小高い場所にあり、毎日ひっそりとお客さんが来るのを
待っています。
そこで頂くコーヒーとワッフルは、その心地よい雰囲気とマッチして、いつも至福
の時を感じさせてくれます。
http://cafeuluru.com/
<食べるなら コレ!>
これまた小名浜ですが、「一の字」という蕎麦屋。
蕎麦のコシ、香りとも申し分無く、ツユをつけなくても一気に食べきれてしまいます。
鈴木穣蔵 ( じょうじ ) 略歴
福島県いわき市在住
2006年 写真を撮り始める
2007年 個展「Blue Genealogy」(いわき市)
2008年~ いわき市の劇場「いわきアリオス」にて舞台・
コンサート等の撮影を担当(現在も進行中)
2010年 IWAKI ART トリエンナーレ
ボックスの中で人の顔のみを撮影した「kaleidoscope」を出展
震災直後はなす術無くただ立ち尽くすことしか出来ず、シャッターはほとん
ど切れなかった。
しかし時間とともに、現在福島で出来る事を考え、実行に移す計画を練り
始めている。
ホームページ
http://web.mac.com/jojoenn/Gram/Welcome.html
reported by : studioカラン
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