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#10 若林克友さん(めばえ工舎) <福島県・木工作家>
Written by welovetohoku, 1 月 19th, 2012   

 

カラン: 今日は、福島県の木工作家、若林克友さんにお話をうかがいます。

     まずは、自己紹介お願いできますか。

 

若林:福島県天栄村で木工をしている若林克友です。

    現在32歳、工房を始めて8年目です。

    小物や家具を注文製作しています。

 

カラン:ホームページで拝見しましたが、面白い場所で制作されていますよね。

 

若林:工房とギャラリーは、閉校した小学校の校舎です。山に囲まれた集落のはじっこ

    で、ひっそりした場所ですよ。

 

カラン: 広々と使えそうで、制作環境は良さそうですね。ひっそりとした・・・といっても、

     色々な方が、訪れてくれそうですし。

     きっかけは、村が、廃校の利用者を募集したとか?

 

若林:そうです。一期一会の出会いでした。

    大切に使われてきた校舎をお借りしており、本当にありがたいことです。

 

カラン:そういう場所、憧れますね。

    それでは、まず若林さんと木との出会いを教えていただけますか。

 

若林:実は、生まれたのは街中だったんです。新興住宅地でしたので、子供の頃は、

    近所の建築現場から端材をもらって工作をするくらい。

    それから、父の転勤で長野県へ行くことになって。中学・高校は、山に入って、

    枝を拾ったり、蔓を採って、自分なりにモノを作っていました。

    製材された「木」よりも山の中にある「樹」が身近になったというか、「木」と「樹」

    が自分の中でつながったというか。まぁ、樹に感動したんですね。

    この時の感覚が今のものづくりに影響していると思います。

 

カラン:作り手は、いつも自分の扱う素材に、感動したり、ワクワクしたりしている。

    そこは、皆さん一緒のようですね。

    若林さんの、制作のこだわりは。

 

若林:素材や構造がわかりやすい、ものづくりを心掛けています。

    わかりやすいことは使い手に安心感を与える気がするんですよ。

 

カラン:めばえ工舎さんでは、注文家具を沢山作っていらっしゃるんですね。

    椅子というアイテムだけでも、形、仕上げ、デザイン、材料となる木、それぞれ

    違っていて、面白いです。

    対話の中から、相手に合ったモノを見つけ出しているんですか。

 

若林:注文をいただく場合には、実際に使う環境、ご要望をなるべく細かく聞いて、樹種

    を含めたデザインを提案するようにしています。

    建築図面をもらったり、現場を見せてもらうこともあります。

    その中で、自分のものづくりの考え方に共感して、心地よく使ってもらえるのが

    うれしいですね。

 

カラン:なるほど、使い手の生活の中から、デザインを生み出していくんですね。

    丁寧な仕事ですね。

    若林さんが、これからやってみたいことを教えていただけますか。

 

若林:木はつくり手、つかい手の感情が入り込み、表情となって現れやすい素材だと

    思います。

    今年、震災と原発事故を経験して、色々な思いや考えを新たに持ちました。

    この感情を自分なりのものづくりで表現できるようになりたいと考えています。

 

カラン:そうですか。

    今回の震災では、モノを作る人たちは、作るべきなのかということから始まり、

    ができるのかということを皆考えてきたと思います。

    ことさら、若林さんのように、福島で制作されていれば、考えることも多かったは

    ずです。

    皆、答えが出たわけではなく、模索しながら暮らしているわけですが、いつか、

    向き合ってきた素材が、そして使ってくれる人たちが、教えてくれるような気が

    しています。

 

若林:そう信じて、よく考えながら進みたいと思います。

 

カラン:今日はありがとうございました。

 

今回は、I think  福島ということで、メッセージの代わりに、若林さんが写した、福島の写真をいただきました。

大切にしたい、残していきたい風景です。

皆さんにも、この風が届くといいですね。

 

 

I think 福島>

 

                      空 そして 木

 

 

                           そして 海

 

 

      <若林克友 略歴>

      1979年 神奈川県大和市に生まれる

      中学高校時代を長野県松本市で過ごす

      日本大学工学部建築学科に進学し、福島県に暮らし始める

      卒業後、2年間の研究生時代に家具工場にて学ぶ

      2004年 天栄村に移住し、めばえ工舎を始める

 

      ホームページはこちら

       http://mebaekousha.com

 

                                     reported by : studioカラン 

 

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#9 鈴木穣蔵さん <福島県 写真家>
Written by welovetohoku, 1 月 15th, 2012   

 

カラン:今日は福島の写真家、鈴木穣蔵 ( じょうじ )さんにお話をうかがいます。

     あれ、どっちの写真が、ご本人でしょうか(笑)。

 

鈴木:福島県いわき市出身の鈴木穣蔵 ( じょうじ ) です。僕は、一番左の写真で

    すね(笑)。

    他2枚は、僕が撮影した写真です。

    現在は会社員もやりながらですが、写真家として活動しています。日々、

    撮ることに情熱を注いでいます。

 

カラン:穣蔵(じょうじ)さん、素敵な名前ですね。

 

鈴木:有り難うございます。「穣」はご先祖様から「蔵」は父の名前から取ったそ

    うです。どこまでが本当かは、確かではありませんが。以前は「読めない」

    と言われ、毎度説明するのが苦でしたが、今では直ぐに名前を覚えて頂

    けるので、かえって助かります。

 

カラン:それでは、せっかくなので、穣蔵さんと呼ばせていただきます。

     穣蔵さんがこれまで、影響を受けた出来事を教えていただけますか。

 

鈴木:撮り始めた頃は、“好きだ”という思いだけで撮っていたように思います。

    そんな中、写真家の平間至さんのお話を聴く機会があり、それまでとは

    また別の視点や、違った角度で物を捉えるようになったかもしれません。

 

カラン:そうですか、宮城出身の写真家の方ですよね。平間至さんの写真は、

     雑誌で拝見させていただいておりますが、“感情のある写真”という印

     象があります。

     そこから、さらに写真の奥深さを知ったということなのですね。

     それでは、今思う、写真の魅力は何だと思いますか。

 

鈴木:自分と世界との関わりを示してくれるという事でしょうか。

    シャッターを切ることにより、その瞬簡に感じた気持ちを「像」として現す

    事ができる。

    そして、そこには有無を言わさず感動した瞬間はもとより、何気ない一瞬

    の空気、自分の心の断片が間違いなく映し出される。

    “撮る“ということは、ある意味怖くもあります。自分という存在がどこにい

    るのかを意識させられる。でも、それが大切な事だと思います。

 

カラン:穣蔵さんは、WEBサイトで一部の作品を公開されていますよね。いろい

     ろなシリーズがあるようですが、それぞれに面白い。

     それから、“大声で叫びたくなる”という作品は、今の私たちの気持ちと

     リンクしていて、見入ってしまいました。いつ頃の写真ですか。

 

鈴木:あれは震災前に撮っていたものです。なので、今回の震災へのメッセー

    ジというわけではないんです。

    これを撮った頃は、自分の中にもやもやするものがあって、まぁ、今もな

    んですが。

    そんな時、気張らしに海に行って、たまたま撮った波の軌跡が、丁度自

    分の感情とシンクロしている気がして・・・。

    それから一気に撮りまくりました。

 

カラン:穣蔵さんの思いと、波の軌跡がシンクロしたように、この写真と、今の私達

    の思いがシンクロしているのかもしれませんね。湧き上がるものがあります。

 

鈴木:自分でも、見るとその時の感情が蘇ってくる・・・。でも残しておきたい作品

    です。

 

カラン:穣蔵さんのこれからの活動について、教えて下さい。

 

鈴木:現在は劇場で行われる催しの記録撮影が中心なのですが、いつも自分

    が今何を伝えたいのか、写真で何が出来るのかを考えています。特に、

    震災後は写真の無力さを感じずにはいられませんでした。それでもきっ

    と出来る事があると信じています。写真でなければ出来ない何かを見つ

    けていきたい。

 

カラン: 2011.3.11に起きた大震災を、“福島”という場所で、人々や、町を見てこられ

    たんですよね。何か思うことがあれば是非聞かせていただけますか。

 

鈴木:自然の力はとても大きく、それに対してヒトの力、こと技術力というのは

    本当に儚いものですよね。家屋は跡形も無く倒壊し、あの原発ですら崩

    れ落ちてしまうんですから。

 

カラン:そうですね、無力感を味わった人も大勢いたと思います。

 

鈴木:でも、そんな“ヒト”こそが大切なんだと思ったんです。何が、生きて行く上

    で必要なのか考えた時に、それは、ここに溢れている“モノ”なんかでは

    なく、“ヒト”そのものなんだと。

    “ヒト”の繋がりや、気持ちが様々な状況を打開し、未来へと向かって行く。

    これまでは、それに気付かず過ごしてきたんだと思います。今回の出来事で、

    価値観が変わりました。今後を見据える上でとても大切なものを得たと思って

    います。

 

カラン:これが、写真家として、2度目のターニングポイントになるのかもしれませ

     んね。これから穣蔵さんが写真家としてどのような活動をされていくのか、

     とても楽しみです。

     そして、自分の心の断片を、誰かの心の断片を、街を、山を、海を、色々

     な瞬間を、撮り続けて欲しいと思います。

     今日はありがとうございました。 

 

 

<行くなら ココ!>

 

 

 自宅の近くに「小名浜」という地区があります。そのエリアに震災後できた

UDOK」というオルタナティブスペースには、いわきで活動している様々なヒト

が集まります。

 時にはライブ、時にはディスカッション。

そこでは、ひとりひとりの想いが集まり、少しずつ何かの形を創り始めています。

これからどういう展開をみせていくのかとても楽しみな場所の一つです。

http://d.hatena.ne.jp/udok/ 

 

 そしてもう一つ、小名浜にあるカフェを。

そのカフェは海が見える小高い場所にあり、毎日ひっそりとお客さんが来るのを

待っています。

そこで頂くコーヒーとワッフルは、その心地よい雰囲気とマッチして、いつも至福

の時を感じさせてくれます。


http://cafeuluru.com/  


 <食べるなら コレ!>

 

これまた小名浜ですが、「一の字」という蕎麦屋。

蕎麦のコシ、香りとも申し分無く、ツユをつけなくても一気に食べきれてしまいます。

 

 

      鈴木穣蔵 ( じょうじ ) 略歴

      福島県いわき市在住

      2006年  写真を撮り始める

      2007年  個展「Blue Genealogy」(いわき市)

      2008年~ いわき市の劇場「いわきアリオス」にて舞台・

             コンサート等の撮影を担当(現在も進行中)

      2010年  IWAKI ART トリエンナーレ

            ボックスの中で人の顔のみを撮影した「kaleidoscope」を出展

 

      震災直後はなす術無くただ立ち尽くすことしか出来ず、シャッターはほとん

      ど切なかった。

      しかし時間とともに、現在福島で出来る事を考え、実行に移す計画を練り

      始めいる。

 

      ホームページ

       http://web.mac.com/jojoenn/Gram/Welcome.html

 

 

 

                       reported by : studioカラン

 

 

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#8 大湯建太郎さん(木好房 DAIROKU)<青森県・木工作家>
Written by welovetohoku, 1 月 10th, 2012   

 

カラン:今日は、青森県の木工作家、大湯建太郎さんにお話をうかがい

    ます。大湯さんよろしくお願いします。

 

大湯:青森県弘前市で家具製作をしています、「木好房 DAIROKU」の大湯

   建太郎です。

 

カラン:弘前というと、どんな所ですか。

 

大湯:工房は弘前市内の住宅地にあります。

   弘前市は古くから津軽藩の城下町として栄えた所で、現在でも弘前

   城を始め、お寺や洋館など歴史のある建物が数多く残るところです。

 

カラン:大湯さんの、木との出会いについて教えていただけますか。

 

大湯:実は、出会ったというより、いつも周りにあった、という感じで

   しょうか。木好房 DAIROKU は、今は親子で制作しているのですが、

   元は父が26年前に構えたもの。

   実家の木の家やそこにある家具も、父が制作をしたものでした。

   幼い頃から、知らず知らずのうちに木の温もりや手仕事のあたたか

   さを感じて育ったんです。

   小学校の時、遊びに来た同級生からは「大草原の小さな家だ!!」

   って言われて、それが凄く嬉しかったことを覚えています。

 

カラン:それは、拝見したいですね。では、大湯さんは、そのような環

    境もあり、自然に木工の仕事に進まれることになったんですね。

 

大湯:そうですね。やはり父の影響を受け、それから、自分に新たな家

   族ができたことがきっかけとなり、この道に進みました。

   自分の子供にも小さな頃から木の温もりを感じて成長していって

   ほしいと思ってね。

   そこから、子供イスだったり、テーブル、自分たちの使う周りの

   ものを制作していきました。

 

カラン:ちゃぶ台なども、あるんですね。これを使った世代では無いの

    ですが、逆に憧れます。なんだか、空間が和やかになりそうで

    すよね。時には、奥さんやお母さんの意見を聞いたりすること

    はあるんですか?

 

大湯:使う側の意見が、必要になることもあります。特に椅子などは、

   体型によって使い心地が違ったりするんですよ。

 

カラン:家具は見た目ももちろんですが、使う物ですから、“心地”

    ていうのは大切ですよね。子供用の家具も、単純に大人サイズを

    縮小すればいい、という物ではなさそうですね。

 

大湯:子供椅子のサンプルを制作した時なんですが、妻から大人と子供

   の使い方の違いや、子供の体型についてなど、アドバイスをもら

   い、ナルホド、と思いました。子供は大人が考え付かない行動を

   することもあるし、その点では、安全面も考えなければなりませ

   ん。デザインだけでは、子供は使ってくれないんです。

   家具の難しさや面白さは、そこにあるのかもしれませんね。

 

カラン:大湯さんが制作する時の、こだわりを教えていただけますか

 

大湯:木が一本一本違うように、丸太から製材された板も、一枚一枚異

   なる表情を見せてくれます。制作の際は、その材の特徴をできる

   だけ生かした、ものづくりを心掛けています。

   それから、機械に頼りすぎないことでしょうか。手の跡を残すと

   いうこと。

   もちろん機械は使いますが、必ず手の仕事を残して、座った時、

   触れたに、そのやさしさを感じてもらいたと、思いながら制作

   しています。

 

カラン:大湯さんが考える「木好房 DAIROKU・スタイル」とは。

 

大湯:家具は生活の道具ですが、家族の一員のようなものだ思うんです。

   壊れたら直し、そしてまた家へと戻ってくる。親から子へ、子から

   孫へ。

   そんな風に、代々引き継がれる家具になってもらいたいと考えて

   います。

   そうなると、やはり使いやすくて、飽きの来ない物。ずっと好き

   でいてくれるものを作れるといいですね。

 

カラン:今日はありがとうございました。青森のおススメについて、地

    元の方だからこそ伝えられる、素敵な情報を教えていただける

    みたいです。大草原の小さな家、木好房 DAIROKUと一緒に、訪

    れてみたいですね。

 

<行くなら ココ!>

岩木山神社

 

 

市内からは車で25分位でしょうか。

岩木山のふもとにある、歴史のある神社です。

木々に囲まれた長い石畳と朱色の大きなお社。その独特な静けさに水の

流れる音が聞こえる。

私もよく行くのですが、シャキッとするというか、あの雰囲気が気持ち

よいです。

 

それから、温泉もいいですよ。

神社の帰り道はもちろん、弘前近郊には泉質の異なる温泉がたくさんあ

ります。

しかも価格が安いので、こちらの人は自宅の風呂代わりによく利用しま

す。新しいところも良いですが、個人的には、古びた感じの味のある温

泉が好きですね。

 

<食べるなら コレ!>

 

津軽の郷土料理、「けの汁」です。

大根、人参、ごぼう、ぜんまい、わらび、ふき、油揚げ、大豆等、具材

はその家庭によって様々ですが、それらを細かい角切りにして、味噌で

味付けした、言わば栄養満点の味噌汁です。

昔の方が考えた、元々は野菜の収穫がない冬場の料理でしょうね。

これが大好きで、学生の時なんかは朝ご飯は「けの汁」を飲んで学校に

行きました。

今では季節問わず、お店で出しているところも多いので、お好みの味を

探してみてください。

 

     大湯建太郎 略歴  

     1981 青森県弘前市生まれ

     2006 木好房 DAIROKU に就職

     ホームページ

     http://www.dairoku-oyu.com



                    reported by : studioカラン

 

 

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#7 中山ヤスヒトさん <福島県 木工作家>
Written by welovetohoku, 12 月 26th, 2011   

 

 

カ:今日は福島の木工作家、中山さんにお話をうかがいます。

 

中:中山ヤスヒトと申します。伊達市保原町で、木の家具や木の器、

  スプーン、オブジェなどを製作しています。

  デザイン校を卒業後、地元建具職の元で仕事の基礎を学びました。

  趣味は、庭仕事、書、絵を描くこと(素描画)で、好きなテレビ番組

  は世界ふれあい街歩き、日曜美術館です。

 

カ:好きなテレビ番組まで、ありがとうございます(笑)。中山さんは

  楽しい方ですね。

  中山さんの工房は、どのようなところにあるのですか。

 

中:自宅で製作しています。実は、手狭になってきた事もあって飯舘村

  にギャラリーを作ろうと思っていました。しかし、原発の避難区域

  になってしまったので、庭に自力で建てようと計画中です。

 

カ:そうですか、色々な所に影響が出ますよね・・・。でも、そんな広

  い庭があるんですね。

  木工作家の作るギャラリーというのも、いいですね。それ自体が、

  作品になるわけですから、楽しみです。

  ところで、中山さんは、デザインの勉強をされていたということで

  すが、木工作家になられたのは、どのようなことからでしょうか。

 

中:母の実家が代々建具職をしていて、子供の頃から鉋屑で遊んだり、

  木端で遊んだりと云う環境で育った事もあると思いますが、やはり

  木が好きなんです。そして、“物作り”を仕事にしたいと、いつの

  まにか思うようになっていました。 

 

カ:中山さんのこだわりを教えて下さい。

 

中:「丈夫である事」・「手直し(修繕)が可能な事」・「あまり作家性

  の強くないもので使いやすいもの」ですね。100年以上の樹を製

  材して、乾燥し形にするわけですから、無駄にしないように心掛け

  ています。家具製作の際に出る木端も、小物やスプーン製作に使う

  ようにして、鉋屑も燃料にしています。

 

カ:自分の作品だけでなく、樹そのものを大切に思っていらっしゃるん

  ですね。樹をいただいている、という姿勢がうかがえます。

 

中:そうですね、樹への愛情はあると思います。地震の後は、とにかく

  木(木端を含めて)が捨てられなくて、片付けが大変でした。

 

カ:中山さんの作品には、桜の木を使うことが多いと聞きましたが。

 

中:そうです。でも、桜と言っても花見をするソメイヨシノじゃなく

  て、山桜になります。山桜は、適度な粘りと、ツヤ、細かな細工

  にも欠ける事が少なく、色も赤味の褐色に変化していく所が好き

  ですね。

  丈夫な物作りには適しています。

 

カ:制作する上では、難しい点がありますか。

 

中:山桜は、乾燥が難しくロスが出ることもあります。山桜は高樹齢

  の木になると芯から腐って空洞になってしまう木が多いんです。

  素性の良い木を探すのが、大変です。

  それから、いつも丸太を購入するんですが、製材機のノコが入って

  挽き切る前に、バチンと真っ二つに割れる事も珍しくありません。

  釘などを打ち付けると割れますしね。組み手加工向きなんでしょう。

 

カ:中山さんの、これからの制作についておうかがいしたいと思います。

 

中:3.11に起こった事について、少しお話させてもらいます。あれは、

  本当に大変な災害でした。地震、放射能、水害。苦しみ、悲しみ、

  途方にくれる毎日。

  とりわけ子供達にはかわいそうな想いをさせました。

  子供達だけの避難、外で遊べない。地震の恐怖もあるだろうし。

  でも、そんな中、人のつながりの温かさも実感しましたね。「人っ

  て、ありがたいな」とつくづく感じました。

  自分にできる恩返しは、誠実に物を作ること。それが、温かい家庭

  の営みの一助になればと思います。

 

カ:中山さんの、優しい木の作品は、皆の力になると思います。

  今回、「生活の中のちょっとした事が、幸せだな、と思えるように

  なった」という話を、聞くことがありました。物を作るクリエータ

  ーにとっては、やはり、“誰かの、何かにつながる”事を忘れず、

  作り続けたいですね。

 

中:そうですね、この地で、大切に制作していきたいと思っています。

 

カ:中山さんに、作り手の優しさと、エネルギーを見せていただきました、   

  今日はありがとうございました。

  それでは、最後に中山さんに福島の良い所、教えていただけますか。

 

 

<行くなら ココ!>

福島は今、放射能で騒がれてますが、会津方面は線量も少なく安全です。

猪苗代湖から会津若松の鶴ヶ城、若松市内の七日町なんかいいですよ。

私個人は、カフェめぐりが好きなので猪苗代のTARO café,若松市内の

三番山下はお勧めです。

 

・猪苗代のTARO café

http://www.taro-cafe.com/

 

・若松市内の三番山下

http://sanban-yamashita.biz/

 

 

<食べるなら コレ!>

 

福島はフルーツ王国ですので桃、梨、リンゴ、ブドウをお勧めします。

それから、白河、喜多方のラーメン、若松の“こづゆ”などの郷土料理、

それから奥会津のそばなど、どれもお勧めですよ。

 

  

       <中山ヤスヒト 略歴>

      デザイン校を卒業後、地元建具職の元で木工を学ぶ

      1995年 独立 

      福島県伊達市に工房berryを設立

       工房erry ホームページ     

       http://www.bess11.com

      木と生活 ブログ

       http://bess11.blog84.fc2.com/

 

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#6 佐々木里恵さん<宮城県 金属作家>
Written by welovetohoku, 12 月 10th, 2011   

 

カ:今日は仙台の金工作家、佐々木里恵さんにお話をうかがいます。

まずは、自己紹介お願いできますか。

 

佐:主に鍛金(たんきん)という技法を使って立体を作っています。

オブジェ、テーブルウェアー、ジュエリーとその形体は様々です。

また、異素材とのコラボレーションなども行っています。

 

カ:佐々木さん、東北の街はいかがですか。

 

佐:私は両親が転勤族だったので、幼い頃は関東を転々とし、小学校か

らは宮城で育ちました。

仙台は海にも山にも近く、街もコンパクトなので、住みやすいところで

すよ。

 

カ:佐々木さんがこれまで影響を受けた人、モノなど教えていただけま

すか。

 

佐:両親が美大・音大を出ているのもあり、美術や音楽によく触れてい

ました。

幼い頃は、連れて行ってもらったミュージカルや舞台に憧れましたね。

表現することに感銘を受け、そこから自分に合う方向へ発展していった

のだと思います。

 

カ:自分の表現の素材として金属を選ばれたんですね。

 

佐:そうですね。制作は、素材を扱うというより、素材に寄り添って共

に形作っている、という方が、合っているかもしれません。

硬いイメージの金属ですが、熱を加えて金鎚で成型していくと、その可

塑性に驚きます。

分子一つ一つを感じることができます。力で封じ込めるのではなく、こ

ちらが心を開いて素材の声を聞けば、金鎚ひとつで自由に色んな形にな

ってくれるのです。

 

カ:それは、どの素材にも言えることですね。

 

佐:「作る」ということは、自分の“こうしたい”という意思と素材の

声とのバランスでなりたっていて、それは、どちらかが強くても無理が

生じる。“素材との対話”の結果が作品になるのだと思います。

一つのものを作るにも、長い時間と地味な作業の連続ですが、哲学を感

じますね。

 

カ:“素材と共に”という佐々木さんの作る姿勢が、よくわかります。

表現者としてのターニングポイント、何かありましたか。

 

佐:15年前位でしょうか。“美しい形”ということだけではなく、作品

を取り巻く“空気感”も意識するようになりました。

その頃はただ、もがいていただけなのかもしれません。でも、いつの間

にかそこに重点を置いているような気がします。

この世に生を受け、空に向かって伸び、そして地に還る・・・

それは動植物だけではなく、素材も、自分も、ここにあるもの全てに

ていて、そして“確かに今、ここで息をしている”という、空気感

と存在感。“息吹“を感じられる作品を作りたいと思っています。

 

カ:表面的な造形を追いかけているのでは無いんですね。

 

佐:物作りは、時代や、環境と共存し、素材が生かされる形や場所を、

己の表現と共に探る作業なのだと思っています。

近年、私のやっている異素材とのコラボレーションもその一環です。

私の作品を観た人、触れた人との間で“対話”が生まれ、そこで新しい

歴史が育まれるといいな、と思っています。

 

カ:なるほど、それが、佐々木さんの軸になっているんですね。面白い

お話をうかがえました。

今日はありがとうございました。最後に、佐々木さんのおススメ、教え

ていただけますか。

 

 

 ・『行くなら ココ!』

 

海、山、街・・・たくさんあって迷うのですが、ここでは山の方をご紹

介します。

宮城県栗原市にある“風の沢ミュージアム&ギャラリー”

http://www.kazenosawa.jp

里山と古い民家をミュージアムとギャラリーとして使っています。

美しい景観と風の沢企画の素晴らしいアートの数々。

空間も含めて五感で楽しめる所です。

 

また、ミュージアムの周辺には鳴子温泉郷があります。

http://www.naruko.gr.jp/

なんと源泉の数は400本近くに及び、日本にある11の泉質のうち、9種類

がここに集まってるのです。

昔から東北の湯治場として知られているところです。

 

 

 <食べるなら コレ!>

 

やはり宮城は海産物が美味しいです。

ご紹介するものは、今はまだ復旧していない場所もありますが、復旧し

たら是非、ご利用して頂きたいお勧めの場所です。

 

・奥松島の牡蠣。

小ぶりですが、生で食べても、鍋でも、何でも美味しいです。

http://umakaki.com/

お土産用に仙台駅では牡蠣の燻製も売っていて、私もよく購入します。

 

・私が幼い頃から行っていた石巻の“井上商店”

ここでは三陸の海産物などが売っていて、“塩ウニ”“生かつお節”な

どはいつも購入していました。

http://www.kaisou-tuhan.com/

 

・あとは、気仙沼の秋刀魚や、いかの塩辛など。

“海の市”では新鮮な海産物が、安い価格で購入できるんです。

http://www.uminoichi.com/

 

          <佐々木里恵 略歴>

      1997 東北芸術工科大学 美術科金属工芸 卒業

      1998 スウェーデン Steneby Skolan 鉄鍛造コース留学

      2005 空工房を構える(仙台市・泉区)

 

Message

東北は各県、山もあり、海もあり、広い空、美味しい空気、温泉もいっ

ぱい。

美味しいもの、伝統の文化も書ききれないほど沢山あります。

皆様に是非、今の東北に足をお運び頂き、目で見て体感していただきた

いです。

きっと心から日本を愛し、思う事、感じること、考える事、たくさんあ

るかと思います。

私は東北が大好きです。

 

           ホームページはこちら

           http://sorarie.com/

 

 

                  Reported Bystudioカラン

 

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東北のクリエーターが 制作のことや東北の街について伝えるページです

 

 

                  企画:カタチプロジェクト

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